ヒルダ

原型製作 こぼし


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© 東映アニメーション

1968年、東映長編漫画映画の全盛期に作り出された傑作が「太陽の王子ホルスの大冒険」でした。
演出に高畑勲氏、作画監督に大塚康生氏、場面設定に若かりし宮崎駿氏が参加する本編は、 40年近い歳月を経てなお古さをまったく感じさせません。

その中で日本アニメーション界の伝説的アニメーター、森康二氏が作り出したのが、 このフィギュアのモチーフになったヒロイン、ヒルダでした。
その美しい容姿と歌声から悪魔に見出され、人間を滅ぼすための尖兵として使われるヒルダ。
その内面の葛藤を醸し出す演出と絶妙な演技がこのアニメ作品を支えているといっても 過言ではないと思います。

そんなヒルダを立体化しようと取り組んだのですが、思い入れの深さから作業は遅々として進まず、 とうとう完成するまでに10年近い時間がかかってしまいました。
その間には、森康二氏の早すぎる急逝という大事件もありました。
それでもなんとか、この度ようやく完成するにいたりました。

さて、ヒルダは今まで何度かイベントや模型誌で見かけたことがありましたが、 モチーフの選択でよく取り上げられるのがブランコに載って微笑むシーンでした。
しかし、幸せそうに微笑むそれではどうしてもヒルダの内面を表現することは出来ないと思い、 さんざん悩みまくりました。
やはりもっとも彼女らしさが表現できそうなのが、 劇中で歌を口ずさみながら荒野をさまよい一人たたずむシーンでした。
そこで、枯れ木を小道具に用い(本体より大きくなってしまいましたが・・)、 それによりかかりながら立ちつくし遠くを見つめさせることで、 なんとかヒルダの心の葛藤と孤独感を表現しようと試みました。
ヒルダの哀しい心を少しでも感じていただけるでしょうか?。

さて、もうひとつは、今回のキットの改造で、素足でのシーンを作ってみました。
劇中でホルスが突き落とされた迷いの森でのヒルダがモチーフでして、 虚空に浮かぶ枯れ木に佇む幻想的シーンで、 これもやってみたかったシチュエーションの ひとつでした。
上半身はブーツ版とまったくの共通ですが、また一味違うイメージになったと思います。
自分としては、素足のお色気がほのかに漂っていてこちらの方が気に入っていたりします (ごめんなさいごめんなさい、オヤジですみません・・・)。

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