原型製作 こぼし
© 永井 豪/ダイナミック企画
********如月ハニー・テニスルックバージョンについて********
ハニーのバリエーションは色々ありますが、やはり私は、この基本の如月ハニーがいちばん愛らしくて魅力的だと思っています。 この作品は、その中でOVA新・キューティーハニー第2期オープニングに数カットだけ出てくるテニスルックのものを 立体化してみました。 こういったシチュエーションのものも、戦いの合間の平和な日常のひと時と言った雰囲気でいいのではないでしょうか。 さて、立体化するに当たり、絵でしか成立しないところの3D解釈をしなければならないのですが、 けっこう自分好みにアレンジしてしまったところもあります。 まずは頭身。 OVA劇中の8頭身では、ちょっと顔が小さすぎて立体にするとバランスが取りにくく、また、たくましい感じになってしまうので、 7頭身にしてあります。 まあ、このあたりが、アニメのキャラではいちばんきれいにまとまるように思うのですが。 さて、サイズは1/5.5と中途半端な縮尺ですが、最初は1/6にするつもりで顔を作りはじめたらちょっと大きくなって、 それに合わせて身体を造ったら全体が大きくなってしまったのです。 そんなわけで、計算して出来た縮尺ではないのです。 ところで、こんなマイナーなサイズ、まさか私以外に作る人がいるとは思えず自分だけのサイズになるだろうな、と思っていたら、 この作品のあと結構いろいろなところで見かけるようになってしまいました。 ちょっと調べてみたところではこれの発表以前にはどこにも見かけないようでしたので、 この作品がこのサイズの元祖みたいです。 今でもイベントや新製品でこのサイズの表記を見かけるようですが、そんな時には、ああまたハニーの仲間が増えたな、 なんて思ってしまいます。 まあ、1/6よりちょっと大きいだけなのに、ボリューム感はかなり増して、結構見栄えのするサイズなのかも知れません。 しかし、永井豪先生のキャラの顔は、むずかしいですな。 まあ今回は、アニメ版のリファインされた堀内作監版ハニーですので、 立体としての解釈はそれほど破綻せずに行えたようです。 それでも、特徴であるつんと上を向いた鼻の造形がけっこう賛否両論飛び交いまして結局こういう形におちつきましたが、 次回作ではまた少し面の構成を変えるかも知れません。 髪の毛はこのバージョンの柔らかな感じを表現したくて、緩やかな流れを持たせて作ってみました。 それから、おさげ( もみあげ?) も、薄いよりは房と言う感じに厚く作るようにしています。 また、前髪にも結構苦労しました。 アニメのお約束で、髪の分け方が顔の向く方向によって反対になる上、 そのまま作ると右への張り出しが大きくなってしまいます。 1方向モデルにはしたくないと思い、左を少しでもボリュームアップして、 右のボリュームとバランスがとれるようにしてみました。 ところで、ヘアバンドはどんな素材で出来ているのでしょうか。 私は、布リボンなどで縛った感じではなく、カチューシャのような硬質なものなんじゃないかと思っているんですけれど。 ですので、塗装の際には艶消しにはせず、半光沢位に仕上げています。 脚は結構太めです。 最近の元ネタのデザイン傾向か、脚の細い造形作品が多いように見受けられますが、わたしはめいっぱい太く作っちゃいます。 特にこのハニーというキャラは、太モモのむっちりさが魅力なんじゃないかと・・・。 あと、胸もちょっと小さくしちゃいました。 これも最近の傾向か、ばかでっかいのが好きな人は多いけれど、私はこのくらいが限度。 もっと小さくてもいいかも。 え?、それじゃ揺れないって?。 それがいいんだってば、うんうん。 左腕のハートから垂れたリボンは、結構長めにしました。 原作コミックでは、リボン無しか、あってもごく短い物しかついていなかったのですが、長いほうが見栄えがするので、 アニメの設定通りこうしてみました。 テニスのコスチュームは、プリーツのスカートにかなり手こずりました。 特に、プリーツのしわはひだごとに寄ってそれが干渉しあっているので、手間のかかること・・・。 しかし、丈は短めで大サービスですな。 でも、あまり長いと野暮ったくなるし、これで良かったと思っています。 そのためにスコートのフリルにまた、苦労させられたけれど。 でもこのフリル、見えるところ以外は作ってありません。 もし、どうしてもあきらめきれない方は、どうぞ追加工なさってください。 シューズは、最近の分厚いスニーカーみたいな感じではなくて、底も薄い布製の運動靴、と言う感じを出したつもりです。 野暮ったくて、古くさい感じがするかも知れませんが、私はそういうシンプルな方が、 このシチュエーションのイメージに合っていると思いますので・・・。 さて、ラケットは、初めに考えていた網戸用の網を挟み込む方法を考えてやってみたらそのまま使えましたので、 それほど苦労なくできてしまいました。 これは後に一般販売された製品では、ちょっと簡素化して網の代わりに格子を印刷した透明板をはめこむようにして 作りやすく変更しています。 ところで、OVAの方は、いったいどうなっているんだ。 私は、このOVA版の絵や世界が最も永井豪先生らしいハニーだと思うし気に入っているので、 ストーリーの途中で投げ出されてしまうとは、あまりに悲しい・・・。 だけど、もし再開するとしたら、作画監督の堀内さんと声優さん達は絶対に替えないで欲しいぞ・・・。 |
2005.5.29 (2002年8月の組み立て説明書解説文に加筆) |